映画『迷子の警察音楽隊』を見た

エラン・コリリン監督の『迷子の警察音楽隊』。

ストーリーとしては2日間の話だが、ゆったりしたテンポで進んでいく映画。

最初の方は、イスラエルの何もない鄙びた空港や道路の広い空間を撮っている。

そして辿り着く田舎町にも何もない。

でもその中にも人はいるし、その土地で親しまれている音楽はある。

人はなぜ音楽を演奏するのだろうか。その場にいる人と一緒に歌ったり楽しんだりするためなのか、ただ退屈だからなのか。

伝統音楽を演奏する人たちは何となく遠い存在に見えがちだが、作りかけの曲やみんなが知っている現代音楽などで、一瞬気持ちが通じあったりするところが、生きている音楽の存在感を感じた。

本来会う機会が無い人たちが会って、もう2度と会話をしないかもしれないながらも、お互いの事情を知ったり親切にしあったりする、そういうことは日常でもよくあるが、そういうことも映画になるんだなと思った。

最初はお互いに知らない人たちでも、事情や人となりを知れば気になるし、親切にしようとする、そういう過程を描きたかった映画なのかなと思った。